公開討論会の企画 (1)企画全般
更新日 2006年11月18日






企画全般


告示日前に実施する公開討論会では、候補者の名称は"立候補予定者"にするのですか?
選挙管理委員会には届けないといけませんか?
公開討論会を複数回開催できますか?
地方議会議員選挙を企画する場合のアドバイスをください
数十人が出席する議会議員選を面白くする方法はありますか
有権者の関心が薄い議会議員選での集客効果を高める工夫はありますか
議会議員選は、どのくらいの人数だったら公開討論会を開催できますか


立候補予定者の同意が得られれば、全員から参加費というかたちで協賛金を均等に徴収してもいいですか?


警察がピリピリするほど選挙戦が加熱していて、公開討論会が正常に開催できるかどうか不安です
遅い時間帯(例 20:00開会-22:00閉会)でも開催は可能ですか? 
立候補予定者1人からしか出席回答をもらえなかった場合に公開討論会を開催できますか
公開討論会が開催できない場合、予約した会場で何か代替イベントができますか?
リンカーン・フォーラムと実行委員会(=実行者)との関係は?
過去に「主催:○○の会 後援:リンカーン・フォーラム」と冠して公開討論会を主催してきましたが、本当は討論会を開催するたびにリンカーン・フォーラムに後援の依頼をしておかなければいけなかったのでしょうか? 





Q.
 
告示日前に実施する公開討論会では、候補者の名称は立候補予定者にするのですか?
 

A.
  はい。告示日(または公示日)までは、正式には立候補者ではありませんから「立候補予定者」と称します。なお、告示日(または公示日)以降に実施する合同個人演説会であれば「立候補者」です。
 









Q.
 
選挙管理委員会には届けないといけませんか?
 

A.
  公開討論会の場合は届け出の義務はありませんが、必ず届け出てください。それが皆さんの信用を増すことになります。
 



 



Q.
 
公開討論会を複数回開催できますか?
 

A.
 
不可能ではないですが簡単ではありません。 鍵を握っているのは現職です。現職さえ、「よし。複数回出ましょう。」と言ってくれるのであれば、 複数回開催にぜひ挑戦してみてください。 したがって現職に前もって打診する必要がありましょう。1回の選挙では1回の公開討論会が一般的です。しかし、有権者にとっては身近な会場で公開討論会に参加できることはとても望ましいことですから

1)候補者(特に現職)が複数出席に承諾しており
2)主催者にやる気がある
 
のであれば、ぜひ複数回開催に挑戦してみてください。
 









Q.
 
リンカーン・フォーラムと実行委員会(=実行者)との関係は?
 

A.
 
リンカーン・フォーラムは「公開討論会」を通じて政治家を選ぶというルールを日本に根づかせるため、一定のルール(リンカーン・フォーラム方式)のもとで公開討論会開催を支援する組織です。そして、この活動に参加するメンバーもリンカーン・フォーラム・ネットワークの一員です。したがって、リンカーン・フォーラム方式で公開討論会を実施するメンバーや団体には次のことが言えます。

(1)リンカーン・フォーラム(本部)の後援があります。
(2)リンカーン・フォーラム(ネットワーク)のメンバーです。
 



 



Q.
 
地方議会議員選挙の公開討論会を企画する場合のアドバイスをください
 

A.
 地方議会議員選挙の場合は、立候補予定者が多いのが特徴です。そのため、運営方法も工夫が必要です。

 <運営方法>
 出演者が7名以下の場合は、オーソドックスな公開討論会方式がとられることが多いようです。
出演者が8名以上になると、基本的には立会演説会方式となっています。立会演説会方式とは、一人3分〜10分ずつ、順番に政見を述べていただく方法です。出演者が10人程度であれば、5分の演説を2巡、もしくは3分の演説を3巡することも可能で、公開討論会方式に近くなります。

 <運営上の工夫>
 過去には、運営に工夫を設けた事例がいくつかありました。一番出席者が多かったのは、19人というものがあります。そうしますと、一人あたり5分ほどしか発言できません。それでも、公開討論会がない場合に比べたら大きな前進です。このような問題を避けるため、ある市議会議員選挙においては、複数の日程で候補者を分けて開催した事例があります。しかし、複数回開催するということは、有権者の側は一度の公開討論会で全ての立候補予定者を比較することが出来ません。

 上記のような長所短所を参考に企画を立ててみてください。
 



 



Q.
 
立候補予定者の同意が得られれば、全員から参加費というかたちで協賛金を均等に徴収してもいいですか?
 

A.
  リンカーン・フォーラム方式では、公開討論会で立候補予定者から参加費ないし協賛金を徴収することを禁止しています。

 主催者と立候補予定者は、「公開討論会を開催することに共通のメリットを共有する、共通の土俵に立っている平等の立場同士」。このように考えると、立候補予定者から協賛金を徴収してもいいように考えられます。しかし、次の2つの理由により協賛金の徴収を禁止しています。

 1.公職選挙法に抵触する可能性がある

 市民主催の公開討論会に候補予定者が協賛金を提供すると、公職選挙法の解釈によっては第199条の2(公職の候補者等の寄附の禁止)に抵触する可能性があります。

公職選挙法第199条の2(公職の候補者等の寄附の禁止)

 公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この条において「公職の候補者等」という。)は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域。以下この条において同じ。)内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない。

 ただし、政党その他の政治団体若しくはその支部又は当該公職の候補者等の親族に対してする場合及び当該公職の候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会その他の政治教育のための集会

 (参加者に対して饗応接待(通常用いられる程度の食事の提供を除く。)が行われるようなもの、当該選挙区外において行われるもの及び第199条の5第4項各号の区分による当該選挙ごとに当該各号に定める期間内に行われるものを除く。以下この条において同じ。)

 に関し必要やむを得ない実費の補償(食事についての実費の補償を除く。以下この条において同じ。) としてする場合は、この限りでない。

 なお、この条文の解釈によっては
  「公開討論会は『候補者等が専ら政治上の主義又は施策を普及するために行う講習会』とも考えられるから、参加費徴収は構わないのでは?」とも受け取れます。

 このように「寄附行為」の条文解釈はグレーゾーンです。前例がないと、選管の態度もはっきりしません。それに、違法性を判断するのは、裁判所であって選管ではないからです。立候補予定者も、公職選挙法でグレーゾーンであると、安心できません。以上の理由から、参加費の徴収は避けるべきでしょう。 

 2.候補予定者への配慮が必要

 リンカーン・フォーラム方式が候補予定者からの参加者徴収を禁止する第2の理由は、候補予定者への配慮からです。

 確かに候補予定者が均等に参加費を払って、自分の主張の場を得るという考え方はおかしくはなく、合理的であるともいえます。しかし、人というのは合理的判断だけでなく、感情でも動くものです。この、候補者陣営の感情面にも最大限の配慮をしているのが、リンカーン・フォーラム方式の公開討論会と、他の市民活動との違うところといえます。

 リンカーン・フォーラム方式の公開討論会では、主催者と候補予定者は「開催することに共通のメリットを共有する、共通の土俵に立っている平等の立場同士」という考え方はとりません。私たちにとって、候補予定者は「お客様」であり、「おもてなしすべき相手」なのです。
 
 なぜなら、候補予定者は私たちの代表となるべき方々です。私たちの代表候補に、選挙に落ちたらただの人になるという命がけの戦いの最中、忙しい時間を割いて出席していただくわけです。これは敬意をもっておもてなしするのが、人として当たり前でしょう。

 しかし、これは決して候補者や代議士を「先生、先生」といって持ち上げ、へりくだることではありません。人間のコミュニケーションのごく、当たり前のことなのです。パネルディスカッションにおいて、パネラーから参加費を徴収することはありません。公開討論会もこれと同じで、「お客様」である立候補予定者から参加費を徴収するのは、不自然でしょう。

 ちなみに、政党代表者クラスを招待する公開討論会では、帰りには菓子折りを持たせています。選挙区選挙での公開討論会でそこまでする必要はありませんが、そのような心構えをもっていただきたい、ということです。主催者がこのようなおもてなしの心を持っていると、候補者側も必ず心を開いてくれます。

 ●立候補予定者へのおもてなしの心について
 
 候補者を安心させてあげるのも、おもてなしの心です。

 仮に、選管や総務省選挙課から口頭で「公開討論会であれば候補者から参加費を徴収しても寄附行為にはあたらない」という回答を得たとしましょう。それでも、きっと納得しない陣営があるはずです。

 なぜなら、安心できないからです。選挙というのは足の引っ張り合いですから、彼らの不安を徹底的に取り除いてあげなければなりません。

 例えば、総務省担当者や選管担当者の署名入りで回答をもらい、新聞、雑誌、ホームページなどで公表するなどは、リンカーン・フォーラムが公職選挙法で解釈のグレーゾーンの問題が発生した場合に利用している常套手段です。

 このような石橋を叩いて渡るリスクマネジメントの精神が、候補者を安心させることができるのです。 リンカーン・フォーラム方式の真髄は、実はルールや運営ノウハウという部分よりも、このようなおもてなしの心で、「候補者」「有権者」「主催者」すべてがWIN-WINの関係を構築するという哲学にあります。 
 






Q.
 
警察がピリピリするほど選挙戦が加熱していて、公開討論会が正常に開催できるか心配です。
 

A.
 
警察がピリピリするほどの「過熱度合い」とは、具体的にどのようなものでしょうか?
  これまで公開討論会を開催してたきた選挙での経験では、「過熱度」のランクは以下のようなものです。

 1.怪文書が飛び交う
    → この程度では過熱とは言わない

 2.公開討論会会場に戦闘服を着た人物が来る
    → この程度では過熱とは言わない

 3.その選挙の時だけ、ある陣営の応援団が全国から何千人も
   集まり、時には住民票をその選挙区に移している
    → この程度では過熱とは言わない 

 4.対立候補の家の前に汚物がばらまかれる
    → 過熱度「

 5.候補者陣営同士が傷害事件を起す
    → 過熱度「

 6.公開討論会実行委員会に脅しの電話が来る
    → 過熱度「

 7.対立候補の家にダンプカーが飛び込む
    → 過熱度「
 
 私たちは、過去に1〜7まで全て経験していますが、公開討論会を断念したのは7番目のケース(過熱度合い「」)1回きりです。それ以外のケースでは、たとえ過熱した選挙でも公開討論会では何も問題が起こりませんでした。リンカーン・フォーラムでは、ある程度過熱した選挙の場合、不測の事態予防のため警察に協力を依頼し、公開討論会会場に私服警官を配備していただいています。
 準備さえしっかりしていれば、何も恐れる必要はありません。
 



 



Q.
 
選挙管理委員会から、公開討論会は公職選挙法164条の3に抵触する恐れがあるので開催しないほうがよいと指摘されました。この指摘は正しいのですか?

 

A.
 リンカーン・フォーラム方式の公開討論会であれば公選法に抵触しませんのでご安心ください。(リンカーン・フォーラム方式でなければ公選法に抵触する可能性があります)


★根拠★

公選法164条の3(他の演説会の禁止)について

164条の3は、
 1)選挙期間中に、
 2)選挙運動のためにする合同演説会を
 3)公職の候補者以外の者が
開催することを禁止したものです。
この3つの条件は、ひとつでも当てはまれば禁止なのではなく、3つとも揃って禁止です。

リンカーン・フォーラム方式のように、告示日前に、中立公平に政治活動(特定候補への投票依頼が無い)として行なわれる公開討論会であれば、1)と2)に該当しないので、開催自体は
全く問題が無いことを、選管の管轄官庁である総務省選挙課が認めています

 現在でも、ごく一部の選挙管理委員会がこの事実に勉強不足のために「146条に抵触する恐れがある」と指摘するケースがありますが、上述の総務省選挙課見解を提示することにより、100%ご理解いただいてます。
 万一、地元選管にご理解いただけない場合は、上位の選管に確認していただくとよいでしょう。


 



 



Q.
 
遅い時間帯(例 20:00開会-22:00閉会)でも開催は可能ですか?
 

A.
 
その程度の時間帯であれば特に問題ありません。
例を挙げますと、宮城県知事選合同個人演説会(97年)では、21:30-23:00開催でしたし、2000年総選挙での東京15区合同個人演説会では21:00-23:00開催でした。

それでも会場は満席になり、観客は大満足でした。
公開討論会主催者は、
「候補者の都合を最優先すれば、夜遅い公開討論会の時間設定もありうる。」
という選択肢を常に持っていましょう。

 



 



Q.
 
過去に「主催:○○の会 後援:リンカーン・フォーラム」と冠して公開討論会を主催してきましたが、本当は討論会を開催するたびにリンカーン・フォーラムに後援の依頼をしておかなければいけなかったのでしょうか?
 

A.
 リンカーン・フォーラムの後援を得ると多くのメリットがあります。

リンカーン・フォーラムの後援が必要な場合は、原則として、
各討論会の都度、後援依頼を事務局にお申し出ください。
(後援依頼の書式には、ホームページのトップページにあるリンクボタンをご利用ください)

 



 



Q.
 
立候補予定者1人からしか出席回答をもらえなかった場合に公開討論会を開催できますか
 

A.開催できません。
  非常に残念ですが、この場合の公開討論会の開催は断念してください。

理由1
 公職選挙法で禁止されている事前運動に抵触する可能性があるから。

理由2
 候補者1名で公開討論会を開催すると、欠席した候補者から反感を買うため、その候補者や所属政党の議員などが、今後の選挙でも決して公開討論会に出席してくれなくなるから

理由3
 「公開討論会」という名称で会場に集まった有権者が、1人しか壇上に現れないことを知れば、主催者に不信感と、中立性への疑義を抱く可能性があるから

 なお、立候補表明者が、告示日直前まで1人しか現れない場合も同様の理由で公開討論会は開催できません。
 この場合は、第二の候補者出現を粘り強く待ち、日程の都合上、告示前の公開討論会開催が無理な場合は、告示日後の合同個人演説会として、実現を目指しましょう。

  また、告示日まで待っても第二の候補者が現れなかった場合は、公開討論会も合同個人演説会も断念です。
 この場合は、公開討論会に代わるイベントとして、無投票当選後に新首長をお招きした勉強会や講演会、市民との対話集会など開催するのであれば問題ありません。
 その他に、

 Q&A「公開討論会が開催できない場合、予約した会場で何か代替イベントができますか?
 も参考にしてください。

 



 



Q.
 
数十人が出席する議会議員選を面白くする方法はありますか

 

A.

 出席人数が多くなると、合同立会演説会とネーミングした方が理解しやすいと思います。参加者が多いと、まともに討論にはならないからです。
つまり、1人2〜3分程度のスピーチを続けるというものです。

でもこれでは聞いている方はあまり面白くありません。
そこで○×式の質問を沢山行い、時間配分の大部分をこれに割り当てるのが効果的です。

○×質問は、人数が多くてもでき、かつ面白いです。
また、ひとつの質問で全員の回答を同時に確認できるので、全員の意思が一目で分かるとともに、一問一答よりはるかに時間を節約できます。

たとえば、まず全員が2分程度のスピーチをします。
その後、○×質問をします。
締めくくりのスピーチを全員がして終わりです。

これなら20名〜40名の参加者でもなんとかできます。

また、ひとりに1〜3回程度の補足説明権を与え、その権利を行使した時のみ、自分の○×回答についての補足説明ができるようにすれば、さらに内容が深まります。候補者の人数次第では、この応用版もチャレンジしてみるといいでしょう。



 



Q.
 
有権者の関心が薄い議会議員選での集客効果を高める工夫はありますか

 

A.

 県議選や市議選では、もし首長選も同時に行われているのなら、前半を議員選挙の演説会、後半を首長選挙の公開討論会とすると、集客の面でも相乗効果があると思います。



 



Q.
 
議会議員選は、どのくらいの人数だったら公開討論会を開催できますか

 

A.

 2005年までの県議選(都議選を除く)公開討論会で報告されたデータによると、

 ・呼びかけた候補者数
   最大17人 最小2人 平均6人  

 ・出席した候補者数
   最大8人 最小2人 平均4.6人

です。

実は県議選の場合は、出席候補者数が平均4〜5人であり、首長選や国政選挙より少し出席者が多めという程度なので、一問一答+反論形式や、フリーディスカッション形式も取り組みにくいということはない、ということが分かります。

ただし、市議選になると、
 呼びかけ53人、出席18人(99年八王子市議選)、
 呼びかけ32人、出席30人(03年岩見沢市議選)、
 呼びかけ30人、出席?人(03年浦安市議選)、
のように、大人数となり、これでも開催実績があります。



 



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